第2章 I believed in……

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『こんな場所にたどり着いたのも、なにかの縁だ。ちょっとしたゲームをしようじゃないか』 映る文字は、計算式やらアルファベットやら。 読み解けない文字の数々が、マノンの手の上に収縮し、鍵束の形に収まる。 その鍵束を、クルクルと指先で回しながら、マノンは口の端を吊り上げ、 『これがなにかわかるな、ハノン…いや、こっちにはてめぇは干渉できねぇんだったな』 画面の中でほうりなげられる鍵に、ご丁寧にもチャリチャリと音がする。 『なぁハノン、知りたいか?お前のデータメモリの中に、一切記されていない、実験の内容を』 少年は、ぐっと拳を握り締める。 『なぁ少年、知りたいか?ここから出る、その方法を』 ハノンは、なにも答えない。 少年には、マノンの考えが読めない。 いや。そもそもが、何を考えているとかではなく、彼女らを使う、何者かに従っている。それだけなのかもしれない。 それでも、その考えが、読めない。 「知りたいに、決まってんだろ!!」 でも、無視はしない。 相手の考えが読めなくても、なにかこちらが不利になる意図があるのかもしれなくても、飛び付く。 だが、 『同意、しかねますねー』
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