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ハノンの声に、マノンは口の形だけで笑っている。
『マノちゃん、何を考えてるの?』
『なんだと思いたい?』
それだけを言って、画面が消える。
「おいちょっと!!?」
部屋が、静まりかえる。
「これ、まさかいきなりゲーム始まってますとか言わねえだろうな!?」
『いえ、マノちゃんならやりかねません』
バッバッと周囲を見回す少年の耳に、深い溜め息が聞こえた。
『誰がするか。始まってんのは間違いでもねーけどな』
「おい!!」
どこかから聞こえた声を、探す。
ルールもペナルティも知らされないまま、得体のしれない状況に放り込まれるのは、無謀が過ぎる。
ルールを教えてもらえることを前提に、話をしているあたり。かなり甘えがあるかもしれないが、少年は気づいていない。
『まずは逃げ切って、資料室にたどり着けよ。話はそれからだ』
資料室にたどり着け。
「は?」
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