第2章 I believed in……

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焦げ臭い臭いと、 「走れ少年!!」 腕を放したもう片方が、文字どおり崩れ落ちるのを合図にするかのように、少年は走る。 ガシャガシャと、耳障りな音をたてて崩れた[なにか]へは、振り返らない。 マノンの声を発した、仲間に武器を突きつけた片方にも。 「くそっ…」 しかし、走っても。 道行く先に、またそれが現れた。 どうすれば、切り抜けられるのか。 今度は、本当にどうしようもない。 拳を叩きつける。走り抜けて逃げる。足を引っ掻けて転ばせる。武器を奪って反撃する。 考えて、選びとり、実行する。 その、一瞬の隙が、まさしく命とり。 (…………………) 死んだ、と。 ゴウ…と風を鳴らして降り下ろされた棒状の武器に、首を捉えられたとき。そう、少年は感じた。 覚悟して、目を閉じたその刹那。 意識があったのかどうかは、定かではない。 ただ。 その瞬きの間に、夢を見た。 まだ、死んでねーよ そう、口が動いた、蜘蛛のようなアバター。 「逃げるんだろ、ここから」 「………ああ!当たり前だ!!」 痛み。 強烈で、うれしいくらいに、生存を確認させてくれる感覚。 しっかりと、床を踏みしめる。
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