第2章

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「………分かってるんだ、駄目だって。 分かってる…………けど。」 「………史弥?」 どうしたのだろう。何故、今、俺に告白してきたのか理解出来てないけれど、今日の史弥は、いつもとは違う。様子がオカシイ。 正座をして、太ももの上で両手の拳を固く握りしめ。俯いて、顔をあげようとしない史弥を変に思って、そろりと近付いた。 その頭に触れようと、手を伸ばし届こうとしたその瞬間。 「ーーーー上総っ。」 伸ばした手は、突然顔を上げた史弥の右手に取られ。そのままグィっ!と引かれたと思ったら、俺は、史弥の腕の中に飛び込んでいた。 「ーーーふみっ、ーーいて!」 抱きしめられた………っ!そう理解する前に、俺は後ろに倒されて、後頭部をしこたまぶつけた。 一瞬、目の前がチカチカする。 漸く痛みが薄れてきて、固く閉じていた目をゆっくりと開ける。 そこには、倒された俺に覆い被さるように跨って顔を覗き込んでいる史弥の顔があった。
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