六月二十八日

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【あの日】---三年前の六月二十八日。 男、颯太はちょうど遊びに来ていた弟とともに郊外に新しくできたショッピングモールに出かけていた。 実は大分遅くなってはいたが弟の就職祝いも兼ねた遠出だったのでいくつかの店で服や小物を買ってやったり、食事をおごったりしてやった。 もっとも、おとなしくおごられるような弟ではなかったから「代金は出世払いで!」と言って押し切った、というのが実際だったが。 その帰り。 最寄り駅まで行くシャトルバスを逃した二人は次のシャトルバスを待つくらいなら、と別の交通機関を使うことにした。 検索アプリを使い、バス以外の交通機関を調べる。 そしてヒットしたのがショッピングモールから徒歩二〇分という、遠いがバスを待つよりはまだましな場所にある地下鉄だった。
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