六月二十八日

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最初にそのメールが着たのは一週間前。 どんよりとした雲が空を覆う、湿気の多い日だった。 いつものように地下鉄から降りてホームを歩いていると軽快な着信音が鳴った。 「また仕事かよ……」 SNSが主流となった現在では仕事以外でメールが来ることはめずらしい。 先程仕事を終えたばかりで疲れていたところへのメールに舌打ちをするが、仕事関係なら早めに確認しなくては、とポケットから携帯を取り出した。 折り畳み式の携帯を開き、メールの受信画面を呼び出す。 表示された新着メールの送り主の名前とタイトルに背筋が凍った。 《送信者:颯太   題名:久しぶり  》
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