六月二十八日

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颯太(そうた)は青年の兄だ。 兄弟仲はかなりよく、颯太が家を出て一人暮らしを始めてからも頻繁に交流していた。 その頃ならメールが着ても「また兄貴からか」としか思わなかった。 しかし、いまは違う。 兄からメールが届くことは決してないはずなのだ。 硬直した身体のなかで、なぜか指だけが滑らかに動き、メールを開いた。 《送信者:颯太   題名:久しぶり あと一週間であの日が来るね。 その日にお前に会いに行くよ。  》
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