六月二十八日

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「……ッ」 兄がなぜ自分に会いに来ようとするのか。 なぜ自分の居場所を知っているのか。 そもそもなぜメールを送れたのか。 疑問に思うことは山ほどあった。 一つわかっているのは【あの日】に兄が自分のもとに来るということだけ。 兄の有言実行な性格は昔からずっと変わっていない。 『来る』と言ったからには来るのだろう。 それを阻止する術を青年は持っていない。 それこそ、昔からずっと。 「なんで来るんだよ、バカ兄貴……ッ」 絞り出した声か震え、小さくホームに反響した。
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