六月二十八日

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それから毎日兄からのメールが届いた。 メールが来ないようにアドレスを変えればよかったかもしれない。 しかし仕事の関係上、私情でむやみにアドレスを変えるわけにはいかず、結局そのままにしていた。 書かれているのは決まって【あの日】までの日数と『会うのが楽しみだ』という旨の言葉。 日数は徐々に減っていき、昨日のメールでは『あと一日』となっていた。 今日のカウントはゼロのはず。 震える手で新着メールを開く。 《送信者:颯太   題名:無題 いま地下鉄に乗った。 これから行くね。  》 《送信者:颯太   題名:無題 やっと会えるね。 話したいことがたくさんあるんだ。  》
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