六月二十八日

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青年がホームに着いたのと到着した電車の扉が開いたのはほぼ同時だった。 蓋を開けたペットボトルから中身が溢れ出すように、ホームに人が満ちていく。 降りてきた客は年齢も性別も皆バラバラ。 しかし揃って暗い顔をし、だれも話すことなく、ただぞろぞろと改札に出る階段に向かっていく。 大量の足音のみがホームに響く。 人でごった返すホームが青年は急ぎ足で進む。 青年の腕が周囲にいた何人かに当たったが、だれもが身体をぐらり、と揺らすだけで言葉一つ発しない。 俯きがちに歩く人々に覇気はなく、どの人も色褪せて見えた。 「×××!」 人混みの向こう、懐かしい声が聞こえた。
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