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青年がホームに着いたのと到着した電車の扉が開いたのはほぼ同時だった。
蓋を開けたペットボトルから中身が溢れ出すように、ホームに人が満ちていく。
降りてきた客は年齢も性別も皆バラバラ。
しかし揃って暗い顔をし、だれも話すことなく、ただぞろぞろと改札に出る階段に向かっていく。
大量の足音のみがホームに響く。
人でごった返すホームが青年は急ぎ足で進む。
青年の腕が周囲にいた何人かに当たったが、だれもが身体をぐらり、と揺らすだけで言葉一つ発しない。
俯きがちに歩く人々に覇気はなく、どの人も色褪せて見えた。
「×××!」
人混みの向こう、懐かしい声が聞こえた。
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