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「×××!×××!どこにいるんだ?」
周囲の人を押し退け、声のする方に向かう。
相手はあまり動いていないようだ。
声がする場所が先程からさほど変わっていない。
「返事をして!×××!」
声が大きくなる。
近づいたから、だけではないだろう。
声に焦った響きが混ざり始めた。
-焦ってんのはこっちだよ!
声には出さず、心の中で毒づく。
と、色褪せた群衆の隙間からちら、と鮮やかな色が覗いた。
声がするのと同じ方向だ。
さらに乱暴に人混みをかき分ける。
-いた!
人の流れがまだ弱い電車沿いを歩く男。
青年に背を向け、きょろきょろと辺りを見回している。
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