三章

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  「ふあぁ……なんか色々有りすぎて疲れちゃったなぁ……栗花落くんが来るまでちょっと休んで、ん?」  扉を開けた瞬間、なにか妙な違和感を感じて足を止めた。  少しだけ重い気がする。  さっきまで散々感じていた嫌な重み。  他の部屋に比べ異常に暗い室内。  他人の部屋に来たような、そんな感じ。 「なんだろう、これ……きゃあっ!?」  ゴウッという激しい音と共に、室内から吹いた強風により廊下に投げ出される。  そのまま私を拒絶するかのように目の前で扉は閉まってしまった。  床に打ちつけたお尻がジンジンと痛む。 「な、なに……なに今の……?」  窓なんて開いてなかったし、第一不意打ちとはいえ、私が吹き飛ばされる程の風が室内で起こるなんて。  立ち上がって扉を開けようとしてみるものの、鍵も掛かっていない筈の扉は全く開かなかった。  まるで内側からなにかに押さえられているみたい。  ――キィ…… 「え……?」  横から聞こえた音に振り返る。  扉が開いていた。 「あそこ……物置……?」  え、なんで開いたの?  この家私以外いない筈なのに。 「……行ってみよう」 物置部屋へ(次へ)
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