三章

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   相変わらず物でごちゃごちゃしてて動きにくい部屋だ。  心なしかさっきよりも暗くなっている気がする。  手探りじゃないとどこになにがあるんだか全然わからない。  急に扉が開いたりするからなにかあったのかと思ったけど、これといって異常は…… 「わったぁいっ!!?」  暗い中動こうとしていたせいか、なにかを踏んで転んでしまい変な声を出してしまった。  ガターンッと威勢のいい音が部屋中に響く。  さっきと同じところ打った……痛い……。 「もー、なんなのよーっ!」  カタン 「……?」  左手に当たった固い感触に視線を移すと、私の手の下には古びた時計が一つ倒れていた。  見たところカラクリ時計の類いのようだ。  ……なんかこれ、知ってる気がする……。  気になってマジマジと見てみるが、かなり年季が入っているようでボロボロだし、どう考えても私が最近買ったものではないようだった。  辺りを探してみてもケースのようなものもなにも無い。  おばあちゃんに貰ったんだっけ?  でもこんなもの置いてたかなぁ……。  試しに振ってみると、中からカサカサと音がした。  なにかが入っているみたい。  だけど取り出し方がわからない。  ネジのようなものも無さそうだし……なにか開け方があるのかな。 「……どうしよう」  説明書くらいは、探せば出てくるかな。  ちょっと探してみようか。 一階へ(次へ)
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