三章

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   客間。  特になにも置いてない空っぽの部屋。  ここにあるものといえばいくつかの置物と、壁にかけられた掛け軸くらいのものだけど…… 「……あれ?」  感じた違和感に首を傾げる。  私の視線の先には例の掛け軸。  確かカラフルな花の柄が描かれていた筈だ。  しかし近づいてみると、その掛け軸には花ではなく別のものが描かれていることがわかる。 「小さい馬と、大きいネズミ……」  なんで柄が変わってるの?  というよりなんだろう、このアンバランスなデザイン。  馬よりネズミの方が大きいって……こういうのも有りなんだろうか。  んー……でもなんか、妙な親近感が……。  ――時計 「……時計」  ……ん、時計?  なんで時計?  呟いた言葉に自分で首を傾げる。  急に誰かの声が頭に響いて、それで……なんだ今の。  時計、か……。 時計を調べる(次へ)
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