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――……ピリリリリリッ
「ひぃっ!?」
突然鳴った音に驚き、思わず悲鳴をあげる。
振り返ると、暗い部屋の中で一つだけ明かりを発しているものがあった。
私の、携帯電話。
そうだ、忘れてた。
携帯があるじゃんっ!!
こんなシンプルな着信音にしてたっけという疑問はあったけれど、とにかく携帯に駆け寄り、慌てて通話ボタンを押した。
誰でもいい、ちょっと助けてほしかった。
「もしもしっ!!」
『………』
「……も、しもし? 誰? 聞こえてる?」
どこからかけているのだろう。
ザーッという雑音が微かに聞こえる。
それ以外は、無音。
聞こえてないのかな……。
というか、誰からだろう。
私の携帯にかけてくるということは、私の知り合いの筈だけど。
そして相手の番号を確認するため、一度携帯を耳から離そうとした……その時だった。
『……やっと、繋がった』
「え……?」
聞こえて来たのは、知らない男の声。
「待って、あなた誰!?
なんで私の携帯」
『探してたよ』
「は……?」
『待ってて。今すぐ、そこに行くから』
「ちょっ、もしもし? もしもし!?」
……切れた。
電話の奥からは、ツーツーという無機質な音が響くだけ。
なに、今の。
通話を切り、画面を確認する。
見覚えのある待ち受け。
確かに私の携帯。
じゃあ今の人は、誰?
「……っ!!」
そして、気づいてしまった。
携帯は今……圏外。
「ど……して……」
なんで圏外なのに電話が?
今のは誰?
なんで私の番号を知ってるの?
――今すぐ、そこに行くから。
鳥肌がたつ。
ここに、来る?
助けてくれる?
いや、きっと違う。
ほんとに来るわけないとも思うけど、でもここはきっと私の部屋じゃない。
どうしよう。
逃げなきゃ。
早くここから出なきゃ。
でも、どうやって?
そうだ、落ち着こう。
よく調べるんだ。
これは、内鍵だろうか。
手探りで調べてみる。
……外、から?
いや、でも鍵穴はこっちにある?
窓は、開かない。
鍵自体が見当たらない。
となると……どうしよう。
どうする?
・窓を壊す(9頁へ)
・探索する(11頁へ)
・諦める(10頁へ)
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