167人が本棚に入れています
本棚に追加
間髪入れずに返事が来る。
「早く来てください
お願いします
あいつが帰って来てしまいます
警察に電話をしてください
わたしの親に電話をしてください
とにかく
早く助けてください
お願いいたします」
田端駅をでると、わたしと河田は、携帯電話で検索しつつ、住所の場所へと歩いた。
『北区 田端〇‐××』
電信柱に付けられた緑のプレートに、住所が白抜きで書かれている。
「一応、ここだよなあ」
わたしはそう言って、周囲を見まわした。
閑静な住宅街、といった場所だった。
「一軒家っていっても、そこらじゅう一軒家だらけだから、どこの家かわからないぜ」
河田がこまった顔で言った。
誘拐犯の名前がわからないので、どの家なのか判別できない。
最初のコメントを投稿しよう!