6人が本棚に入れています
本棚に追加
そのとき背後からさっきのフードの男が「パッチ様、申し訳ありませんが手違いが生じました。どういたしましょうか」と声をかけてきた。
そこには、佐田徹と楓の二人がいた。
あはは、一人じゃなくなった。
あいつらここに入る手順を見ていたからな。同じことをしたのだろう。
「そいつらは殺せ!」
「えっ、パッチそんな」
「だって、人間は昴だけで十分だろう」
「でも、待ってくれ。あいつらは殺さないでくれ。頼む」
「そうなの? 殺しちゃダメ? まぁいいや昴が一緒にいてくれるならあいつら生かしてやるよ」
ホッと胸を撫で下ろす。
パッチは言葉を続けた。
「けどね、あいつらが危険人物だと思ったら即殺すからね。いや、皆のゴハンがいいかもね」
パッチ……。おまえはそんなに凶暴だったのか。残虐非道な猫だったのか。
もしかしたら、自分も安全じゃないのかも。
いずれ死ぬ運命にあるのかもしれない。
なんでこうなってしまったのだろうか。
やっぱり人の世に帰りたい。
パッチは好きだけど、それは目の前にいるパッチじゃない。
ああ、もう後戻りはできないのだろうな。残念ながら……。
最初のコメントを投稿しよう!