紫陽花通りの門

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「あっ、おまえ何しに来たんだ。まさか、ここに興味あるのかおまえも」 なんだ、なんだ、なぜこいつがここにいる。 佐田徹に出逢っちまうなんて、最悪だ。くそっ、引き返したほうがいいのかも。 いや待て、紫陽花の色が赤紫色に。 ダメだ、今行かなきゃパッチがあの世行きだ。 よりによってこいつが来ているなんて。 「あら、珍しい人がいるのね」 うわっ、出た。楓までいるのかよ。 「よし、今日からおまえも仲間だ。歓迎するぞ」 「兄さん、おまえじゃないでしょ。昴くんでしょ」 「あはは、どうも」と昴は苦笑いを浮かべつつお辞儀をした。 まったくこんな大事なときに厄介な奴らと出くわすなんて。 しかも、楓に名前を憶えられているとは思わなかった。 ちょっとだけ町内会のときに逢っただけのはず。 こっちはこの二人は有名だからすぐに記憶に残っちまったけど。 いやいやそんなことはどうでもいい。 確か、徹の奴は仲間だって。冗談じゃない、仲間になんてなるものか。 こいつらみたいにおかしな趣味は持っていないからな。 愛猫のパッチを助けに来ただけだ。 よし、きちんと説明するとしよう。 いや、やっぱりやめておこう。説明したって納得するわけがない。
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