第1章

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俺はふとそこでメールを打つのをやめた。 俺は新作のネタに行き詰まっていた。 アサミは特別心霊体験に遭いやすい体質だったらしく、俺の作品のほとんどは彼女からのネタのストックによる。それが尽きてからは出す作品出す作品、書評も売り上げも先細り気味だった。 元々俺には霊感なんてなく、リサはさらに即物的で現実的な女だ。 (……ひょっとしたら彼女なりに、アサミをネタに、アイディアを提供してくれようとているのかも……) どの道行き詰まっていた俺はリサに乗っかってみることにした。
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