第1章

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「回りました!よーい、あい」 女「やっぱり、呪いは本当だったんだわ」 男「なんで、死んだはずの高瀬の携帯が此処に?」 女「自殺した柳さんの携帯に残ってたあのメール。それから三上、桐生と立て続けに謎の死を遂げてる」 男「やはり高瀬もこの一連の事件に関わっていたのか」 ピロリンーーーー。 新着メッセージがあります。 男「どういうことだ?高瀬の携帯に高瀬からのメール」 女「見て、自動送信になってる。高瀬君が死ぬ前に設定していたのよ」 差出人;高瀬弘樹 宛先;高瀬弘樹 本文;すまん。俺も呪いの連鎖には抗えないみたいだ。 このメールは自動的にグループに登録されている人物に転送される。 連鎖を解くにはあwせdrftgyふじこlp 男「くそっ、大事な部分が読めない」 女「どっちにしろ、私たちの内、どちらかの携帯が鳴るってことよね」 「おい、まだかよ鵺野」 「おっかしいな。いえ、もうすぐのはずなんですが」 意識さえも飲み込まれてしまいそうな暗闇の中、山道を突き進む撮影クルー。 「あ、ありましたありました。ここです!」 「ったく、何が10分ほどで着きますだよこのタコ」 「はは、すみません」 「ほら、さっさとベースはれ」 ホラーモキュメンタリーを主に製作している会社MODSで俺はADをしている。 今年で7年目。未だにAの取れない俺は軽く人生に絶望していた。 そんな俺に漸く回ってきたチャンス。DVDの特典映像ではあるものの、 俺の持ち込み企画が採用されたのだ。 だから何としてでもこの撮影を成功させ、Aとはおさらばしたいところだ。 今日の撮スケは、高瀬さんが死んだ後、最後の一人にメールが転送されるシーン。 小道具も抜かりは無い。 さあ、ラストシーンだ。 ピロリンーーーーー。 新着メッセージがあります。 差出人;鵺野ケイスケ 宛先;バニークラブ☆マミちゃん 本文;こないだはびっくりしたよ!300万貸してなんてさ。 俺、マミちゃんが風俗辞めるなら何でもするからさ。本気だから。 今はお金ないけど、今回の撮影が終わったらあwせdrftgyふじこ 監督モニターに映し出された映像に俺は愕然とした。 「カットカット。鵺野てめえ」 未だにAの取れない俺は軽く人生に絶望していた。
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