第1章

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理子はその日、ふつか酔いと昨日からの風邪気味のせいで酷い頭痛を抱えたまま浅い眠りを繰り返していた。 枕元に置いてある携帯が、いつもと同じ音量のはずなのに、不気味なほどけたたましく感じたのは一通のメールを知らせる、着信音だった。 メール受信を見ると名前が出ていない。 「知らない人からのメール?こんな時間なのに・・・」 画面右上の時計はAM6:30を知らせている。 だけど、表示されるメールアドレスはどこか見覚えがある・・・。 「え?これ私のメールアドレス・・・。やだ、スパムメールかな?」 メールの受信画面を開けば、メール自体を開かず宛先と本文が表示されるページを見ることが出来る。 理子は驚きを隠せないまま、メール受信画面を開くと、タイトルはなく、こんな一文だけが表示されていた。 「ねぇ、早くあたしの人生、返してよ。貴女はこちら側の人間だったんだから」 理子は驚きのあまり息をのむと「きっと何かのいたずらだわ。誰かからの嫌がらせかもしれない。落ち着くのよ」と、自分に言い聞かせた。 そこに、もう一通のメールが先ほどと同じく自分と全く同じメールアドレスから届いた。 「メールが届いています」 ・・・・つづく。
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