出逢い

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辺りがとっぷりと暮れた頃には、 このコンコースはいつもより靴音が多く響いている 夕方から降り出した雨は、 乗降客だけでなく、 傘を手にしたお迎えの人達をも、 この駅に引き込ませた この場所に集った人達は、 手にした傘を誰に差し出すのだろう 家族や友人、 恋人 どれも相手を想いやってのものに違いない だけど、 私に傘を手渡してくれる人は誰もいない 想ってくれる人は、 誰一人いなかった
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