銀河鉄道の夜を読んだ夜に~第四章~

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僕は気が付いた。 目から涙が溢れていることに。 幽霊になっても泣くことは出来るんだ。 「お父さんお母さん、ありがとう……」 多分、聞こえないと思うけど僕は声に出した。 そう言った直後、二人は僕の魂がふわふわ浮かぶ方向をハッと見上げた。 お母さんがそのあとにお父さんの胸に抱きついた。 僕はそれを見て二人に手を振った。 何をすればいいのか分からないけど、なんとなく宙をふわふわ浮いて僕は病室の窓から外に出た。
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