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「お乗りなさい。あなたを空まではこびましょう」
突然、空から女性の声がする。
僕は誰?と空を見上げて言った。
女性の声が優しげに返ってくる。
「あなたの国では織姫と呼ばれるものです。空では私はベガと呼ばれています。あなたが銀河鉄道で天国に来るのを待っていますよ……」
僕は銀河鉄道の入口を前に少しだけ入口に背を向けて病室の窓を見た。
お母さんが魂の抜けた僕の頭を何度も何度も撫でていた。
僕は空に響くくらいの大きな声でもう一度ありがとうと言った。
生んでくれてありがとう。短い人生だったけど僕は二人の子供で幸せだったよ。
少しだけ、二人を眺めてから僕は銀河鉄道に乗り込んだ。
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