銀河鉄道の夜を読んだ夜に~第四章~

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銀河鉄道の中に入るとそこにはいっぱいの子供たちが座席に座っていた。 僕は空いた座席を見つけて座った。 座席について窓から外を眺めるとそこから青い星が見えた。 はじめての宇宙だったけど、あれは地球だとすぐに分かった。 それと同時に僕が最後の乗客だったと気づく。 多分、全員、今日死んだ子だ。 人って一日でこんなに死ぬんだ……。 ざっと見るだけで色んな国の子たちだと分かる。 色の白い子。色の黒い子。それぞれの民族衣装に身を包んだ子。それに赤ちゃんまでいる。 こんなに座席がいっぱいになっているのに車内は凄い静かだ。 みんな、宇宙の景色を眺めている。 たまにちらちらと車内を見ると目が合わさる子がいるけど、みんな目を背ける。 そうだよね……。死んで元気な子なんていないよ……。出来るなら、お父さんお母さんのとこに帰りたいよね。
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