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☆霧の街☆ 昼夜問わず深い霧と、街の至るところから出る蒸気に覆われるこの街は大小問わず犯罪が起きる 空へ向かう魂が白の中で至るところからポツリポツリと輝く 「…キレイ」 街を見渡せる時計台のテッペンに腰掛け長く不揃いな銀色の髪を靡かせ呟く女が後ろにある気配に気が付き顔を上げる 「お前…その髪うざったいから早く揃えろよ。いつまでも人形にダメージくらったままの格好でいるな。 そうだ!!どうせなら俺好みのボブにしろ…うん、そうしろ。俺が揃えてやるから」 金色に輝く髪の男は銀色の髪を掬い優しく撫でる 「マスターの好きにすれば良い…と思う」 女の言葉に口角を緩め、小さなナイフを取り出すと手際良く髪を切り揃えていった作業を終え「どうだ?うまいもんだろ」と得意気に手鏡を渡す 「…マスターが良いならいい」 「お前なぁ…いつまで俺をマスター呼びするんだ。確かに俺はお前の名付け親だし生き抜く為の指導もした…けど」 自分を見上げる女に「親や先生はこんな事しないぞ」とキスをすれば無表情な顔に小さく笑みを浮かべコクリと頷いた
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