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「着いたよ」
やがてリムジンは否応なしに
魔王の待つ城へと吸い込まれていった。
「今日はね誰もいないんだ」
思った以上に歴史ある
豪奢な邸宅。
「この広い屋敷に、征司お兄様と僕とそして君だけ――」
玄関先。
すでに足がすくむ。
「やっぱり僕……」
「今さら遅いよ」
まるでガードマンだ。
こうなることが分かっていたみたいに
和樹は左脇からがっちりと僕の腕を掴んだ。
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