第11章 戯れるミツバチ ①

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「大丈夫。僕もいるから」 振り向いてほくそ笑む。 妖艶なその黒い瞳が むしろ僕を不安にさせる。 「おいで――怖くないよ」 和樹は僕の手を繋ぐと 真赤な絨毯を敷き詰めた螺旋階段を しなやかな足取りで昇り始めた。 「でもっ……」 「しー。静かに」 猫の子のように 足音ひとつ立てず。
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