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手を引かれたまま
長く薄暗い廊下を突きあたりまで進む。
その角に
一際威圧的な両開きの扉が現れると
誰の部屋なのか一目で分った。
「ノックを――」
悪びれず和樹が言う。
「えっ!?僕が?」
「当然でしょ。招かれたのは君だ」
自分はあくまで付き添いだと言わんばかり。
和樹は僕を前面に押し出した。
仕方なく――。
「……こんばんは。お招きありがとうございます」
ノックする。
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