第11章 戯れるミツバチ ①

5/25
150人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
「いや、そういう問題じゃなくて……」 根本的に 間違ってる。 だって腹違いとはいえ 彼らは本当の兄弟じゃないか。 「誰も君のお兄さんをサイコだとは思ってないよ」 それでもあの日見た淫らな光景が甦り 僕は思わず己の身体をきつく抱いた。 「なら何が怖い?」 と――。 白い指先が伸びてきて からかうように僕の喉元をくすぐった。 「王様が君に会いたがってるんだ」 そっと 顎先を持ち上げる。 「だからもう拒めない」 当然のように和樹は言った。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!