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「いや、そういう問題じゃなくて……」
根本的に
間違ってる。
だって腹違いとはいえ
彼らは本当の兄弟じゃないか。
「誰も君のお兄さんをサイコだとは思ってないよ」
それでもあの日見た淫らな光景が甦り
僕は思わず己の身体をきつく抱いた。
「なら何が怖い?」
と――。
白い指先が伸びてきて
からかうように僕の喉元をくすぐった。
「王様が君に会いたがってるんだ」
そっと
顎先を持ち上げる。
「だからもう拒めない」
当然のように和樹は言った。
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