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「………」
「…っ……」
ジッと見つめられ、恥ずかしさでどうにかなってしまうんじゃと内心思い始めた直後、何故か顎から手を離すディーヴァンさん。
…あれ?
「やはり、な…」
ボソリと呟くと、エメリーさんとイエムさんは「?」と頭の上に疑問符を浮かべる。 うーん、どうしたんだろう。
純粋に気になったので、私は訊ねてみることにした。
「どうかしたんですか…?」
「いや、少し昔のことを思い出してな」
そう言うと「似ているんだよ」と続け、
「その目が、昔の私に似ていたんだよ」
「目…ですか?」
【クリエルト】に来てから橙色になっちゃったこの目が? いやいや、貴女は紫色じゃないですか。
「目の色じゃない、目つきだよ目つき。…にしても、いい顔をしている」
まるで心を読んだかのように言うと、再びうっとりした顔で熱っぽい視線を送ってくるディーヴァンさん。
え、あの、ちょっと…
「ディ、ディーヴァン様…?」
「な、何を…?」
「よし、決めたぞ」
戸惑うエメリーさんとイエムさんなど気にする様子も無く、ディーヴァンさんは唐突かつ不安要素しか感じない言葉を口にする。
「その……何を、決めたんですか?」
おそるおそる訊ねると、フフンと得意げな顔になり、衝撃の言葉を放った。
「気に入った。今日から私の娘になれ」
………えっ?
な、なんて?娘になれ?
「だ、ダメですよ!」
「そうですよ!いきなり娘になれなんて!」
混乱していると、固まっていたエメリーさんとイエムさんがそれぞれ反応を示す。
だがディーヴァンさんは「何がダメなんだ?」と言い、あろうことか私を思い切り抱き寄せ---って、
「んむぅっ!?」
「いやぁ~、可愛いなぁ!ハッハッハ!」
埋まってる!魔王の双丘に埋まってる!
自分でも何言っているのか分からないけど埋まってる!
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