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国王としてあまりに非情な仕打ちに私の中でリエクの好感度が一気にゼロになったところで、徐にエメリーさんが「…あの…」と控えめに手を上げる。
「なんだ?エメリー」
疑問符を浮かべながら訊ねるリエク。
「いや、この状況がいつまで続くのかな、なんて……」
すると誰もが予想しなかった、だが薄々思っていたことを告げると、その場に居るエメリーさん以外の全員が固まった。
え、エメリーさん……貴女は勇者か何かか。
そんなことを思った矢先、沈黙を破ったリエクが口を開いてこう言った。
「ベルク、戻るぞ。イエムも職務に戻れ。あとの3人はカオルの部屋に行くといい、じきに昼食が運ばれるだろうから」
「…分かりました。戻るぞ、イエム」
「あ、はい」
「分かった。なら早速向かうぞ、我が娘よ」
「むぐぐっ…」
「カオル様、顔色が…」
そう思ってるなら助けてほしいな、エメリーさん。
リエクの言葉に全員が頷き、それぞれ別方向に歩きだした。
それよりディーヴァンさん、抱き締めたまま連れて行く気? どれだけ器用なんだ。
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