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「はぁ…」
「? 溜息などつかれてどうかしたんですか?」
「いや、何でもないっす」
言えない。まさか転生して2日目で付いた専属のメイドさんが百合属性で、しかもフラグが建ったことに驚いているなんて言えない。
ちなみに、今はメイドさん改めエメリーさんにお城を案内されていて、「はぐれてはいけないですからね」という名目のもと、しっかりと手を繋ぎながら歩いているからすれ違う従者の人達の視線が気になって仕方ない。否、嫌でも気になる。
そんな私の気持ちもつゆ知らず、エメリーさんの案内は続く。
「あ、ここは図書館ですね。歴史書から娯楽本まで何でも揃うんですよ」
「へぇ…図書館かぁ」
そういや、高校生になってからほとんど図書館とか行った覚え無いなぁ…中学生の時までは小説読んでたりしてたけど。
「あまり読書は嗜みになりませんか?」
「えっと…そうっすね、はい…」
あれ、なんで最近本読んでないの分かったんだろう。
なんて思っていると、
「それは分かりますよ。だって…カオル様の専属の従者、ですから」
何故か頬を赤らめ、うっとりした目で見つめながら言うエメリーさん。
……ごめん、ちょっと鳥肌立った。
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