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つまりまとめると、
・美人
・赤髪ロングヘア
・黒いドレス
・あれが大きい
ということくらいか、魔王…ディーヴァンさんの情報は。
ん?待てよ?
「王様が魔王と仲が良いって言ってましたけど、会う時って何してるんですか?」
いくら友人とはいえ、王様に奥様が居たら…ねぇ。
「大抵お茶を飲みながら世間話をして過ごされますね……あぁ、同僚から聞いたのですが、最近ディーヴァン様が『妹か娘がほしい』と言っていたそうです」
「何なんですか魔王って」
「さぁ…」
なんて話をしていると『ズドドドド!!』と勢いよく走ってくる足音が聞こえ、
「エメリーさあああぁん!!」
と、エメリーさんを呼ぶ声が耳に入ってきた。
「イエム!?」
「え、誰なんですか?」
同じデザインのメイド服着てるから、従者ってことだけは分かるんだけど。
「私の同僚、正確に言えばディーヴァン様が『妹か娘がほしい』と言っていたことを私に伝えてきた同僚です!」
慌てた様子で答えるエメリーさん、するとメイドさん-イエムさんは『キキィィィ!』と音を立てながらブレーキをかけて止まり、「ディ、ディーヴァン様が今来ているんですぅ!!」と何故か半泣き顔で告げる。
「え、いい、い、今ですかっ!?」
「とりあえず来てください!エメリーさん!カオル様!」
え、私も?
なんて思っていると腕を掴まれ、
「恐らく1階の廊下を進んでいるかと思われます、急ぐので少し飛ばしますよ!」
「構いません、飛ばしなさいイエム!」
「あの、ちょっと意味が--」
分からないんですけど、とは言い切れない内にイエムさんの両足に緑色の渦が纏われた直後---ジェットコースターにでも乗っているような感覚が襲ってきて、高速で移動し始めた。
まさかこんなタイミングで魔法が出てくるとは思いませんでした、はい。
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