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「--到着ですっ!」
「ぐふっ!」
イエムさんの声の直後に体が動きを止め、体がガクンとなる。
うん、ちょっと酔っちゃったかもしれない。
「えっとディーヴァン様は…あ、居ました!」
少しふらつく体でエメリーさんに寄りかかっていると、イエムさんがちょうど見つけたらしく指差しながら叫ぶ。
視線で追うとなるほど、確かにそこにはエメリーさんの言っていた通りの出で立ちをした女性--ディーヴァンさんがまさに廊下を歩いているところだった。
「ディ、ディーヴァン様!」
「お待ちください!」
そこへすかさずエメリーさんとイエムさんが名前を呼びかけると、徐に歩みを止めてから顔だけをこちらに向けるディーヴァンさん。あ、不思議そうな顔してる。まぁそれもそうか。
お城に来て廊下を歩いていたら急に呼びかけられて、振り返ったら2人の従者(メイド)+知らない女が居るんだから。
不思議そうな顔をしてから今度は体をこちらに向け、ゆっくり歩いてくるディーヴァンさん。あれ、これってマズいんじゃ?
そんなことを考えている内に段々距離を詰めてきて、ついに目の前まで来たかと思うと口を開き、
「お前達、一体何か用か?」
と、腕組みをしながら訊ねてきた。……こうして近くで見ると、『魔王』じゃなくて『お姉さん』って雰囲気だなぁ。
腰まで届く長さの鮮やかな赤い髪に紫色の瞳、小さな鼻にぷっくりとした唇。
所々にリボンがあしらわれた、黒を基調とする短めの丈をしたドレス。それに服を着ていても分かるかなり……大きい胸、スラリと伸びた白い脚に映える黒い…なんだろう、ニーソックス?に赤い靴を履いている。
何というか…雰囲気だけじゃなくて服装も魔王っぽくない感じがするなぁ。
……作者、ちょっと説明に力入れすぎでしょ。
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