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と同時に山都は、膝をついた。裕樹に蹴られた傷が通り魔との戦闘で悪化したのだ。
「むちゃ、しすぎたな……」
ドサッとその場に倒れ込んだ、山都にクマっ子がノッシノッシと歩いて来た。
「山都くん、あとはアタシに任せて、眠ってな」
とクマっ子がゲシッと傷口を蹴り飛ばして山都の意識を奪い取った。
それから数日後、通り魔は警察に再逮捕され護送されたこと、新聞の記事の一件は捜査中で犯人は不明と日傘に聞かされた。
「でぇ? あのクマっ子ちゃんは誰なのかなぁ? 山都くんの知り合いだって聞いたけれどぉ?」
「ひ、日傘さん?」
数十匹の蛇で山都を囲い込み逃げ場を塞ぎながら日傘はそろーりと近寄ってきた。
「正直に答えてねぇ? 正直に答えたら痛くしないからさぁ……」
「何度も言ってるだろ。俺はあんな着ぐるみ女なんか知り合いになんか……あ」
「あ、今、あって言った。山都くん、思い出したね。心当たりが在るんだぁ。正直に答えてもらおうかぁ?」
ニッコリと笑った、日傘がさらに問い詰めようとした時だった。
「出ていけよ!!」
と隣の部屋から裕樹の叫び声が聞こえてきた。
「た、高間くん、落ち着いてください。怪我人なんですから」
続いて真朱の制止する声が聞こえてきた。山都はやれやれと立ち上がろうとしたが、日傘は数匹の蛇を操って山都の動きを止めた。
「ダメだよ。山都くん」
「おいっ、放っておくわけにはいかないだろ」
フルフルと日傘は首を横に振った。
「ダメだよ。この問題は山都くんじゃ絶対に解決できない。あの子達が自分で考えて決めることだからねぇ」
そんなことわからないだろと言おうとしたが、日傘はさらに蛇でがんじがらめにするとその場に押し倒した。
「ダメ。わかった?」
「お、おう」
「うん。わかればよろしい。じゃあ、私達は大人の遊びをしましょうか」
「お? って、お前」
「ふっ、ふふふふ、楽しみましょうね」
「お前、最初からこれが狙いかっ!!」
とさぁ、なんのことだろうねと日傘が静かに獲物(山都)を捕食しようとしていた頃、
裕樹は苛立ちお盆を投げた。真朱の隣を飛んでいく。
「出ていけよ!! 俺に構うなよ!!」
山都との戦闘で受けた傷はたいしたもではなかったが、精神的な傷は深かった。幼なじみの女の子を助けるためとはいえ、他人を傷つけた事実、さらに未知の力を持ってしまったことが
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