第2章『珈琲の温もり』

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「………」 「………」 満月の夜が明けた早朝。 ジャラジャラと鳴る鍵の音に、ロッソは反応しなかった。 機嫌が悪いのだろうな…。 昨夜はロゼのところに長居をしてしまって、ロッソはお預けのまま。 しかも隣で何があったのか説明される暇もなかったわけだから。 「あの…ロッソ…?」 呼び掛けても、青白い顔は振り返らない。 怒っているのも当然だ。 ディナーを食べると決めた寸前で、ご馳走に逃げられたのだから。
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