淫乱指数、100。

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 あれこれしつこく聞くのは嫌われるから、  今日はこれまで。 「さてと。私、そろそろ行くね。午後から新しいソフトの使い方の指導するの。情報管理部の石川君って知ってる?加瀬君と同期だよね、彼に指導するんだけど」 「!!!!・・・・・・絶対行ってダメ」 「え?」  立ち上がった矢先ものすごく強い力で引き戻され、  加瀬君の両手が私の両肩を強く掴む。 「藤木・・・かおりん、喰われるから。奴の餌食になる、絶対に絶対に行ってはいけませんっ狼に近づいてはダメです!!」 「加瀬君、ものすごく近いんだけど」  目の前。  数センチのキョリに加瀬君の端正な顔がある。  が、どうやら私の声はカレに届いていないらしい。 「俺はアイツと同じ高校だったんですけど、奴の女タラシは伝説になるほど有名でして、イイ女を見たら手当たり次第確実に喰いまくりです!」 「仕事するだけだから」 「一見爽やかな奴のあの外見に騙されて、泣かされた女の子は数えられないくらいでっ。それはもう想像を絶する酷い扱いで、奴の話をしたら1年でも足らないくらいです!」 「私の話、聞いてる?」 「アレは野獣です!アイツ、絶対喰う、絶対確実にかおりん喰うっ!仕事は他の人に代わってもらってください」 「部長命令なんだけど」 「指導は伊東さんに代わってもらってください」 「伊東君、購買部でソフト関係は無知なんだけど」 「口説かれて今日の夜にはホテルに拉致されますっ!奴に指導は無用なので、使用方法が書いてある説明文のコピー1枚で十分です」 「加瀬君」 「ダメです、絶対行ってはダメっ!」  ものすごく真剣な顔で、  ものすごく真剣な声音で、  ものすごく必死になって、  何度も言ってくれるから。  ホント、  ・・・・・・期待しちゃう。 「そんなに私の事が心配?」 「心配です!!」 「なんで?」 「えっ?」 「どうしてそんなに私の事心配してくれるの?」 「それ、は」 「他の女性にもこんなふうに忠告するの?」 「・・・したこと、ないです」 「私だけ、なんで?」 「・・・・・・」 「さてと。狼に喰われに行きますか。口説かれて今日の夜はホテルかぁ」 「っっ」  ゆっくり立ち上がると、  再度強い力で引き戻された。
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