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目の前のキレイな琥珀色の目が、
昨日の夜同様にゆらゆらと揺れている。
果たして。
カレは、
私にどんな言葉を与えてくれるのだろう。
「・・・・・・かおりん、俺」
「うん」
「・・・・・・俺、は」
「うん」
「・・・・・・かおりんが」
「うん」
「かおりんが好きだから。だから、心配なんです」
やっと言ってもらえた『好き』のそのコトバ。
少し小さな声。
それでもしっかり私の目を見て、
ちゃんと言ってくれたのが素直に嬉しかった。
「ありがとう、私も加瀬君が好きだよ。嬉しいから、お礼にサクランボあげる」
「サクラン・・・うわあっ!?なななにしてっっ!」
会社の制服のブラウスのボタンを外して、
左の胸だけをブラジャーごとちらりと晒すと、
加瀬君が顔を真っ赤にして慌わてて目を横に逸らした。
「時間ないから、片方だけサクランボ。食べていいよ」
「けけけ結構ですっっ、てか人来たらこれは絶対にマズイからっ!」
「うん、だから誰か来る前に早く」
「し、シャレになんないからっっ」
「ふぅん、じゃあ石川君にサクランボあげよかな」
「っっ!!・・・絶対ダメです」
チラチラと私の顔と胸を交互に見ながらの抵抗。
加瀬君の頑なな道徳心は、
いまや崩れる一歩手前。
ギリギリのやり取り。
「加瀬君、キスは良くて胸はダメなの?」
「いや、だって俺はっ、婚約・・・」
「昨日聞いた」
「指輪・・・」
「見えてる」
白昼。
熟れたカラダがオスを求めてる。
加瀬君に触れられたくて、堪らない。
そっと、
座り込んでいる加瀬君の手に自分の手を重ねると、
一瞬ひくりと動くが抵抗はない。
そのまま、
引き寄せられるように加瀬君の顔が近づいて。
ゆっくりと、
迷うことなく私の胸の位置に降りた。
「・・・ぁっ、ぅん・・・」
右手がブラをよけて直接唇が触れた。
加瀬君の柔らかな髪の感触が肌に伝わる。
タバコの匂い。
熱い吐息。
熱を帯びた舌の感触。
ぴちゃ、という水音。
そのどれもが淫靡で眩暈をしそうになる。
「かおりん・・・胸、大きい、すごく柔らかい」
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