暴力的女神様降臨

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「純一ぃ!」 北沢と並んで走っていると若干競争する意思が湧いてきた頃、また後ろから声が聞こえた。 「フライングチョーーーップ!!」 同時に後頭部に何かが突っ込んできた。あまり痛くはなかったが、走っていたこともあって派手に転んでしまった。 「痛……いきなりなにするんだ山口!?」 「だってぇ、名前呼んでも止まってくれなかったじゃん」 名前呼んで後頭部にフライングチョップ食らわすまで時間が1秒にも満たなかったのは気にしてはいけないのか……? うつ伏せで倒れている俺の上に無邪気にはしゃぎながら乗っかっているそれは、俺の幼なじみである山口知恵(ヤマグチチエ)。 身長は俺の肩あたりまで。発育はそこそこ。髪型は黒髪ロングヘアーだ。 物心ついたときから山口と俺は仲が良かった。家が近所だからということもあるんだけど。 「あれ?山口さんもこの時間帯に登校するのは珍しいな。純一みたいに寝坊でもしたのか?」 「いやぁ、昨日は深夜番組見てたら寝るのが遅くなっちゃって。いつもより起きるのが遅くなっちゃったんだよねぇ」 「……どうでもいいから俺の上からどいてくれ。重いだろ……」 なによりこんなところで道草食ってたら学校に遅刻してしまう。
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