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数日後、彼女の結婚式の日がやって来た。 その日の朝、僕にはもう何の迷いもなかった。 約束通り、僕は心から彼女の結婚を祝福しようと思う。 彼女が幸せなら僕だって幸せ。その言葉に嘘はない。 キュッとネクタイを締め、家を出た。 いつも通りに鍵をかける。 五月の爽やかな風に、幸運の鈴が揺れた。 「あー! 何それ! お揃いやったん?」 耳元で彼女が笑った気がした。 【終】
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