第1章

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雅也は、彩音の顔を見てドキリとした。 まるで、マリア様のような微笑みを浮かべっているからだ。 雅也は、初めて胸のときめきというものを感じていた。 隣にいるジェラルドに聞かれたら、何か言われるのではないかと思うぐらいに、雅也の心臓が高鳴っていた。 かろうじて顔を赤く染めるのだけは回避できた。 そして、いつもの雅也を演じる。 「もうそろそろ帰ろうかな、遅くなると危ないしね」と言う雅也に、他の部員たちも頷いていた。 そして、皆で帰る事にした。 今日は、玲奈も一緒だ「玲奈、さあ帰りましょう」と彩音が言う。 玲奈は「ええ、帰りましょう」と言うと彩音と一緒に音楽室を後にするが、ジェラルドが 「ねえ、待って僕が送るからさ。一緒に帰ろうよ」と言う。 雅也が「ジェラルド、今日は僕も一緒にお願いするよ」と微笑みながら言う。 その目は、彩音を見ている。 だが彩音はその事には全く気付いていない。
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