第1章

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彩音は驚いた。 今日初めて会った相手からファーストネームで呼ぶように言われて、彩音には抵抗があった。 だから「すいません。今日初めて会ったのに、少し抵抗があるのですけど」と答えるが、 雅也は、気にすることなく「いいや、気にしなくていいから、名前で呼んでくれたらいいよ」と言う。 彩音は、なおも名字で呼ぼうとすると、二人が不機嫌になっている。 「だから、名前で呼んでって言っているよね」と雅也が言う。 彩音は、不機嫌な二人の顔を見てこれは従った方が身のためかと思い直し、 「分かったわ、これからは、名前で呼ぶから。雅也さんとジェラルドさんそれでいいかしら」と言うと二人を見た。 雅也が「さんも、いらないよ。雅也でいいよ」と言う。 ジェラルドも「僕もさんはいらないよ。」と言う。 彩音は今日初めて会ったばかりの人達に呼び捨てには出来ない。 「初めて会ったばかりなのに呼び捨てにはできませんよ。無理です」と今度は彩音が怒り出した。
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