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ピアノを弾ける綾乃も、彩音と一緒に時々ピアノを弾いていた。
そして、ピアノを弾きながら言うのだ。
「彩音、大きくなったら、素敵な恋をしなさいね。後悔しない様な恋をしなさいね」と言うのだ。
「おばあちゃん、おばあちゃんも、恋をしたの」と小さな彩音は綾乃の顔を見ながら聞く。
「ええおばあちゃんは大恋愛をしたわよ。好きで好きでたまらない。いつも一緒に居たいと思うほどのね。でもその恋はかなわなかったの」綾乃は遠くを見る目になり何か物思いにふけるようになった。
その表情はまるで少女のような顔をしていた。
彩音は綾乃の恋というものを聞きたかったが、綾乃は
「恋というものは素敵なものよ」と言うと微笑んでいた。
その顔を見る度に彩音は、恋とはきっといいものなんだろうと思う様になっていた。
彩音は大好きな祖母の願いを受け入れる事にした。
この私立橘葵高校はピアノのクラブがとても有名だった。
この私立橘葵高校のピアノクラブは、全国優勝を何回もしているほどの有名高校だった。
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