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彩音は、ゴクリと唾を飲み込むと、やっと声を出すことが出来た。
「はい、私は、ピアノクラブの入部希望者です」と言うと、少年の答えを待った。
少年は「ふーん」と言うと、彩音の顔を見ている。
「ピアノクラブに入りたいなんて珍しいね。でも、雅也が聞いたら喜ぶよ」と言うとなぜかにやにやと笑っている。
彩音は、一瞬何故かこれは間違っていたのかと思ってしまった。
しかし、祖母の願いをかなえてあげたいからと、心を強く持って気丈に振る舞おうとしていた。
そこに、部屋のドアが開き、一人の黒髪の少年が入ってきた。
端正な顔立ちにすらっと高い身長の少年は、彩音の顔を見ると、驚きの顔を見せたがすぐに金髪の少年の方に向き直り説明を求めた。
「これは、どういう事かなジェラルド」と言われた金髪の少年は
「ピアノクラブに入部希望者です」と言うと両手を上げる。
それを聞いた黒髪の雅也と言う少年は、また更に驚いた。
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