好奇心は犬を殺す

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好奇心は犬を殺す

【Dog side】 「ミケちゃんお帰りー」 「……」 (何でその呼び方やめてくれないんだろうって思ってる) わかっていても止める気はない。気に入らないなら謝りはするけれども。 とりあえず何でいるの?という視線には答えてみる。 「名人が誘ってくれて。お邪魔してます」 「勝手にどうぞ」 学校帰りで制服姿の彼女を見つけて軽やかに手を振れば、相手は瞬間不思議そうな顔をするも、すぐにいつもの表情に戻り、猫パンチのように一撃を見舞ってさっさと部屋に戻ってしまう。 (うーん、残念) 「若先生も何でまた蛍なんか興味持つかねー。あんたみたいに顔が整っていれば、他の女性だって選び放題だろ」 「あはは、そうなら苦労しないんですけどね」 「それともあれかい?若い子にしか興味ないってあれか?最近流行りの」 「幼女趣味の事ですか?さすがにそこまで女性に困ってないですよ」 後腐れなく軽口を叩き合うのも慣れてきた気がする。 最初は少し失礼かなと思うような事もあったが、相手が何の下心も悪気もなく放った言葉だとわかれば、同じようにこちらも返せる気軽さはあったし、ただ軽いだけではなくちゃんと知性と品位を感じさせるような発言もしてくれる目の前の男性は、俺の第一印象通り仲良くなっていて損はないタイプの人だった。
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