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第1章 2話
ハナミは誠一の目的に呆れていた。
だが、理由があれだが誠一さんの承認も取れたので、考えが変わる前に自分の業務を進めることにした。
私は紙とペンを取り出して、誠一さんに渡し、説明を始める。
「では、これに5つの欲しい力、または希望することを書いてください。記入したものに最も近い能力・特徴をあなたのイメージを元にしてカタログ内から検索し、あなたに与えます。」
「与えられた能力には何か問題は無いのか?例えば自分の能力で攻撃する際、余波で死んでしまうとか」
「大丈夫です。先ほど挙げられた例だと、衝撃に耐えられるように体が構成されます。このように作用と言いますか、能力に合わせて肉体改造されるので大丈夫です。あと、ガルテアの言語は自動翻訳するようになっています」
「肉体改造って、他に言い方あるだろう・・・まあ、いいけど」
「とにかく、能力を得たあとは20歳ほどの体で異世界に転生されます。転生後のために身分証明書を渡しますので安心してください」
「前世の記憶はどうなるんだ?」
「今回のような転生ですと、知識を所持したままで大丈夫ですね」
「そうか、それは良かった。あっちは科学とか発展してるか?」
「いえ、科学という概念自体ありません。その代わりに魔法が発達しています」
「なるほどね。・・・ほい、希望書いといたぞ」
「早っ!もっと考えなくていいんですか?」
「いいよ、それ以外希望ないし」
他の人なら、勿体なくて決めるのを躊躇ためらうのに。
無欲だな、この人。
まあ、いいか。
とにかく、希望通りのやつを調べよう。
検索するために、誠一さんが記入した紙に目を向けた。
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