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「しかし……効力、絶大ですね」
嘆息まじりに目を細める。
朝露を含んだ若葉のごとき瞳の色は、本日も美しい。
「ああ。だが、ホビット族の聖地に足を踏み入れた私が悪い」
そうだ。つい先日まで私も伍長と同じ目線で世界を見渡せていたのに。
「どういった原理で背丈が縮んでしまったんでちゅかね?」
「赤ちゃん言葉、やめいっ!」
凄まじい剣幕を見せるも、伍長はどこ吹く風。
コイツ……完全に楽しんでないか?
「ですが」
「何だ?」
うんざりと返せば、伍長はニッコリと笑う。
「どんな姿になられても、准将は准将です。私はどこまでも付いて行きます」
きゅーんっ!
何だよ、何だよっ! 泣かせるなよっ!
感激している准将を満足気に見つめると、伍長は囁く。
「ですので……寝てきてもいい?」
「は? タメ口!?」
准将は目をぱちくりとさせる。
「そうだ。よろしければ准将も御一緒に」
「断る!」
今日も二人は平和です。
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