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我らを支える大地のごとき髪の色は、触れたら柔らかそうだ。
ゆっくりと開かれた瞳は揺るぎない藍色。
そういえば、こんなにも至近距離で見たのは初めての気がする。
「あぁ……なんて美しいんだ……ムニャムニャ」
いつもの口癖だが……寝ぼけていらっしゃるのか?
また目を閉じ……たと思ったら、勢いよく起き上がり、その小さな体の何処に隠していたのか不思議になる代物を私の喉元に押し当てた。
ナイフだ。物凄い殺気に身動き出来ない。
だが私だと認めると、急速に緊迫した空気は霧散した。
「どうした? 伍長?」
「その台詞、そのままお返しします」
未だ状況把握を出来ていない准将をお姫様抱っこしたままで、扉の側にある姿見の前に立つ。
「は? ななな……何だコレはーーーーーっ!!!!!」
腕の中でパニック中の准将は、幼子のようになっていた。
しかしながら、准将。お腹が空きました。
早く何か作ってくれないと……私、寝てしまいそうです。
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