第1章

3/6
前へ
/6ページ
次へ
丁度、二年程前のことだったか。 私が中二になったばかりの頃のこと。 中学校までの道のりをあるいていると、まだあまり気候が安定していないせいだろうか、突風が吹いた。 そのせいで私の目にゴミが入ってしまい、中々無くならないゴミと目の痛みに悪戦苦闘していると 「大丈夫ですか?手で擦っちゃだめですよ、目が傷ついてしまいます。」 そう言って差し出されたハンカチ。 ゴミのせいで出てきた涙で霞んだ視界の中、私はハンカチを受け取り、目に押し当てた。 痛みが引いて離した真っ白なハンカチに罪悪感を感じながら、 「すみません、ハンカチありがとうございます。洗って返します」 そう言ってハンカチを貸してくれた相手を見て、私は体が動かなくなった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加